医療費について:

利用できる医療費助成制度

監修: NTT東日本関東病院 皮膚科部長
五十嵐 敦之 先生

2022年4月時点の制度に基づいた情報です。

「高額療養費制度」「付加給付」「医療費控除」などの助成制度が利用できる場合があります

乾癬治療で医療費の負担額が高額になったとき、「高額療養費制度」「付加給付」「医療費控除」などの医療費助成制度を利用できる場合があります。この他に、膿疱性乾癬(汎発型)[のうほうせいかんせん(はんぱつがた)]の患者さんは認定基準を満たせば「難病医療費助成制度」を利用できます。

高額療養費制度

  • 医療機関や薬局の窓口で支払った医療費が、1ヵ月間(ある月の1日から末日まで)で上限額(自己負担限度額)を超えた場合に、その超えた金額が支給される制度です。

  • 自己負担限度額は、年齢(70歳以上か、70歳未満か)や所得によって異なります。

  • 入院時の食事代や差額ベッド代は高額療養費の支給の対象には含まれません。

高額療養費制度の自己負担限度額

高額療養費制度の自己負担限度額
高額療養費制度の自己負担限度額

さらに負担を軽減するしくみ

① 多数回該当

  • 直近の12ヵ月間に、すでに3回以上の高額療養費の支給を受けている場合は、4回目から「多数回該当」となり、自己負担の上限額がさらに引き下げられます。

多数回該当のイメージ

多数回該当のイメージ

多数回該当の自己負担限度額

多数回該当の自己負担限度額
多数回該当の自己負担限度額

② 世帯合算

  • 同一の医療保険に加入する家族は、自己負担額を1ヵ月単位で合算することができます。

  • ただし、70歳未満の方については、自己負担額が21,000円以上の場合のみ合算されます。合算金額が「世帯ごとの自己負担限度額」を超えると高額療養費の申請ができます。例えば、同一の健康保険であれば、被保険者とその被扶養者の自己負担額は、お互いの住所が異なっていても合算できます。一方、共働きの夫婦など、別々の健康保険に加入していれば、住所が同じでも合算の対象となりません。

高額療養費の申請について

高額療養費の申請には、認定証を提示して窓口での支払額を自己負担限度額以内にする「事前申請」と、後日払い戻しを受ける「事後申請」の2つの方法があります。

事前申請の場合

  • 事前の手続きで「認定証」の交付を受けると、医療機関の窓口での支払額を自己負担限度額以内にとどめることができます。つまり、自己負担限度額を超えた金額を窓口で支払う必要がなくなります。

  • 認定証は加入している医療保険などに申請すると交付されます。認定証が必要な方は、70歳未満の方と、70歳以上の「現役並み所得者Ⅱ、Ⅰ」「住民税非課税世帯」の方です。

認定証提示の有無について

事前申請の流れ

加入する医療保険などに「認定証」の交付を申請する

医療保険などから「認定証」を交付される

医療機関の窓口で「認定証」を提示し、自己負担限度額までの支払いを行う

事前手続きが必要な方と窓口での提示物

事前手続きが必要な方と医療機関窓口での提示物 70歳未満
事前手続きが必要な方と医療機関窓口での提示物 70歳未満
事前手続きが必要な方と医療機関窓口での提示物 70歳以上
事前手続きが必要な方と医療機関窓口での提示物 70歳以上

事後申請の場合

  • 医療機関の窓口で自己負担額をいったん支払い、後日、加入している医療保険に高額療養費の支給申請書を提出することで、払い戻しを受けられます。

  • 高額療養費の申請をした場合、払い戻しを受けるまでには受診した月から少なくとも3ヵ月程度かかります。

  • 高額療養費の支給を受けられるのは、受診した月の翌月の初日から2年です。この2年間であれば、過去にさかのぼって支給申請することができます。

事後申請の流れ

医療機関の窓口で自己負担分の医療費(1~3割)を支払う

支払った医療費が自己負担限度額を超えた場合、医療保険に高額療養費の申請を行う

医療保険から、自己負担限度額を超えた医療費が払い戻される

付加給付

  • 健康保険組合と共済組合ではそれぞれ保険ごとに、独自に自己負担限度額を設定し、それを超えた金額を給付する制度を設けている場合があります。

  • 自己負担限度額の基準は組合によって異なりますが、高額療養費の自己負担限度額よりも低く設定されていることが多く、高額療養費制度の対象にならなくても、付加給付を受けられる可能性があります。

  • ただし、すべての組合で実施されているわけではありませんので、詳しくはお持ちの健康保険被保険者証に記載されている組合等の窓口にお問い合わせください。

医療費控除

  • 1年間(1月1日から12月31日まで)の医療費の総額が10万円を超えた場合、医療費控除に関する必要事項を記載した確定申告書を所轄税務署長に提出するか、電子申告(e-tax)にて申告することで税金の一部が減額される制度です。

  • 同一世帯の家族の医療費も合算できます。異なる医療保険に加入していても、生計を一にする家族であれば合算できます。

  • 次のような費用が医療費控除の対象となります。

医療費控除の対象となるもの

  • 診察料、検査料、薬剤費

  • 入院費

  • 薬局で購入したかぜ薬などの代金

  • 医療機関への交通費の一部 など

  • ※ その年の「総所得金額等」が200万円未満の方は、「総所得金額等」の5%の金額。

難病医療費助成制度[膿疱性乾癬(汎発型)の患者さんのみ]

  • 指定難病に対して医療費の自己負担分の一部を助成する制度です。

  • 膿疱性乾癬(汎発型)は、難病医療費助成制度の対象となる指定難病とされています。基準を満たす方や、高額な医療を継続する必要がある方は、医療費助成の対象となります。

  • 医療費助成の対象となり「医療受給者証」が交付されると、医療費の自己負担割合が2割に軽減され、自己負担の上限額(月額)が設定されます。医療機関の窓口では、2割負担か自己負担の上限額(月額)のどちらか低いほうの金額を支払います。

  • ※ 申請した月以前の12ヵ月間(発症1年未満の場合には発症月から申請月の間)において、医療費総額が33,330円を超える月が3ヵ月以上ある方。

難病医療費助成における自己負担の上限額(月額)

難病医療費助成における自己負担の上限額(月額)
難病医療費助成における自己負担の上限額(月額)
  1. 難病情報センターホームページ:指定難病患者への医療費助成制度のご案内
    https://www.nanbyou.or.jp/entry/5460[2022年4月現在])